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投資コラム

インデックス投資は危ない?欠点や失敗事例を解説

インデックス投資は、投資初心者でも利益を出しやすい手法として人気を集めています。 しかし、「インデックス投資は危ない」と否定的な見方をされるケースも少なくありません。 実際、インデックス投資に興味はあるものの、リスク面が […]

インデックス投資は、投資初心者でも利益を出しやすい手法として人気を集めています。

しかし、「インデックス投資は危ない」と否定的な見方をされるケースも少なくありません。

実際、インデックス投資に興味はあるものの、リスク面が気がかりで、一歩踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、インデックス投資のデメリットや失敗事例、向いていない人の特徴などを解説します。

インデックス投資でカモにされないためのポイントなども紹介するので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

この記事の概要
  • インデックス投資が危ないといわれる理由は?
    ⇒ 元本割れのリスクや、短期間でのリターンが小さくなりやすいことが主な理由

  • インデックス投資の失敗事例は?
    ⇒ 短期的な価格に惑わされたり、手数料の負担が大きすぎたりして損するパターンが多い

  • インデックス投資で失敗しないためのコツは?
    ⇒ 長期的な視点に立って、無理のない範囲で運用を継続することが重要!

インデックス投資とは?

インデックス投資とは、特定の指数との連動を目指して運用する投資手法のことです。

たとえば、日経平均株価との連動を目指して、日経平均株価に組み込まれている銘柄に投資する方法などが考えられます。

とはいえ、一つひとつの銘柄に投資するのは現実的ではないので、日経平均株価と連動するような値動きする投資信託やETFなどを購入するケースが一般的です。

指数は経済成長を表すものであり、緩やかに上昇していく傾向にあるので、インデックス投資は長期運用に適した方法といえるでしょう。

インデックス投資とアクティブ投資の違い

投資信託におけるインデックス投資とアクティブ投資の主な違いは、運用方針・運用手法・手数料にあります。

インデックス投資アクティブ投資
運用方針市場平均に連動する市場平均を上回る
運用手法半自動で運用プロの裁量で運用
手数料低い高い

インデックス投資は市場平均に連動する成果を目指しますが、アクティブ投資は「市場平均を上回る成果」を目標とします。

そのため、アクティブ投資では専門家が企業調査や銘柄選定などをおこない、積極的に資産運用を進める点が特徴といえるでしょう。

結果として、運用コストがかかってくるので、その分、投資家にも手数料という形で負担を求められることになります。

アクティブ投資では比較的大きなリターンが狙いやすいですが、必ずしも市場平均を超えるとは限らず、損失が生じる可能性もゼロではありません。

それぞれの特徴を理解したうえで、自分の投資方針やリスク許容度に適した手法を選ぶことが重要です。

インデックス投資の代表的な指数3選

インデックス投資で連動を目指す指数は一律に決められているものではありませんが、以下の3つをターゲットにするケースが多く見受けられます。

  • 日経平均株価(日本株式)
  • S&P500(米国株式)
  • MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(全世界株式)

それぞれの指数の特徴を詳しくみていきましょう。

日経平均株価(日本株式)

インデックス投資で代表的な指数のひとつとしては、まず日経平均株価が挙げられます。

日経平均株価は、日本経済新聞社が選定する225社の株価をもとに算出される指数です。

構成銘柄は、東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄のなかから、市場流動性や業種のバランスを考慮して選ばれています。

そのため、日経平均株価は日本株式市場全体の動きを表しているといっても過言ではないでしょう。

また、構成銘柄は年に一度見直され、新たな企業が組み込まれることもあります。

投資信託やETFなどでは、日経平均株価連動型の商品が多数用意されており、個人投資家でも手軽に日本株全体へ投資することが可能です。

【日経平均連動型インデックスファンドの利回り(例)】

1年利回り3年利回り5年利回り
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)+20.57%+22.23%16.15%

S&P500(米国株式)

S&P500は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表している米国株式の代表的な指数のひとつです。

ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場する大企業約500社の株価を基に、指数が算出されています。

たとえば、アップルやマイクロソフト、アマゾンなどもS&P500を構成する銘柄です。

S&P500は米国経済の動向を示す指標として、世界中の投資家から注目されており、連動型のインデックスファンドも数多く存在します。

【S&P500連動型インデックスファンドの利回り(例)】

1年利回り3年利回り5年利回り
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)+22.37%+24.94%+24.46%

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(全世界株式)

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)は、近年、特に注目されている指数のひとつです。

先進国23カ国と新興国24カ国の大型株・中型株のうち、時価総額が大きい約2,900銘柄で構成されています。

アメリカのマイクロソフトやアップル、日本のトヨタ、台湾のTSMCなどのグローバル企業が含まれており、世界の株式市場の時価総額全体のうち約85%をカバーしている点が特徴です。

オール・カントリーに連動するインデックスファンドに投資すれば、先進国と新興国のバランスを取りながら、世界中の株式に幅広く分散投資できます。

【オール・カントリー連動型インデックスファンドの利回り(例)】

1年利回り3年利回り5年利回り
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)+22.06%+23.83%+21.68%

インデックス投資は危ない?知っておくべき4つのデメリット

「インデックス投資は危ない」といわれる理由は、主に以下のようなデメリットがあるからだと考えられます。

  • 元本割れすることもある
  • 短期間で大きな利益を得ることは難しい
  • 保有期間中は手数料が発生する
  • リスク管理の意識が低くなりやすい

デメリットにも目を向けたうえで、インデックス投資を始めるかどうかの判断を下すことが大切です。

元本割れすることもある

インデックス投資には、元本割れのリスクがあります。

インデックスファンドを構成するのは、株式や債券などの価格変動のある金融商品です。

そのため、構成銘柄の価格が下落すると、必然的にファンドそのものの価格も下がり、損失が生じます。

たとえば、2020年のコロナショック時には日本株の多くが暴落し、日経平均株価も約30%下落したため、連動するインデックスファンドに投資していた人々からは大きな悲鳴が上がりました。

とはいえ、長期・積立を徹底することでリスクは軽減され、特に20年以上の保有では元本割れが起こる確率は極めて低いとされています。

短期間で大きな利益を得ることは難しい

インデックス投資のデメリットといえる点は、短期間で大きな利益を得られにくいことです。

インデックスファンドは市場全体の平均的な動きに連動するため、個別株のような急激な値上がりは基本的に起こりません。

市場の長期成長に伴って、緩やかに価格が上昇していくケースがほとんどです。

一方で、インデックス投資は損失のリスクが低いため、コツコツと着実に利益を狙っていきたい人におすすめの手法といえるでしょう。

保有期間中は手数料が発生する

インデックス投資では、保有期間中に手数料が発生する点にも注意しておきましょう。

証券会社や投資する商品によっても違いはありますが、インデックス投資では主に以下のような手数料が発生します。

手数料概要
購入時手数料投資信託購入時に証券会社に支払う手数料。ネット証券では無料のケースも多い。
信託報酬(運用管理費用)投資信託の運用・管理にかかる費用。商品を保有している限り負担が生じる。
信託財産留保額解約時に発生する手数料。受取金額から差し引かれる。

特に注意しておくべきなのは、保有期間中に支払い続けなければならない「信託報酬」です。

インデックスファンドでは年率0.1〜0.8%前後にとどまりますが、それでも利益を圧迫する原因になりかねません。

特にインデックス投資は長期的な運用が基本となるので、信託報酬が少し違うだけでも、最終的な資産額に大きな影響を与えます。

信託報酬率は商品によって異なるので、できるだけ年率が低いものを選ぶのもポイントです。

リスク管理の意識が低くなりやすい

リスク管理の意識が低くなりやすい点も、インデックス投資が危ないといわれる理由のひとつです。

インデックス投資は、複雑な銘柄選定や頻繁な売買を必要とせず、ファンドに投資したあとは放置しておいても運用益を得られることがあります。

また、自動的に市場全体への分散投資ができる仕組みなので、リスク管理が不要だと勘違いされやすいのです。

しかし、インデックスファンドにも損失のリスクは少なからずあります。

そのため、「投資額を増やし過ぎていないか」「ポートフォリオは崩れていないか」など、常にリスク管理を意識しておくことが重要です。

インデックス投資で資産運用する6つのメリット

否定的に捉えられることも多いインデックス投資ですが、もちろんメリットも存在します。

  • 運用をプロに任せられる
  • 自動的に分散投資ができる
  • 少額から始められる
  • 運用コストが比較的抑えられている
  • 値動きをチェックしやすい
  • 長期運用で利益を伸ばせる可能性が高い

メリットとデメリットの両方を踏まえたうえで、自身の運用方針とインデックス投資の相性を見極めるようにしましょう。

運用をプロに任せられる

インデックス投資最大のメリットは、運用をプロに任せられる点です。

インデックス投資では、ファンドマネージャーが銘柄選定や資産配分の調整などを担ってくれるため、投資家サイドがやるべきことはほとんどありません。

資金管理やポートフォリオの見直しなどは定期的におこなう必要があるものの、運用面に関しては基本的に放置しておくだけです。

そのため、投資初心者や投資に時間をかけられない人でも、プロの運用によって安定した利益を狙うことができます。

自動的に分散投資ができる

自動的に分散投資ができる点も、インデックス投資の特徴です。

インデックスファンドは市場全体を代表する指数との連動を目指して、その指数を構成する多数の銘柄に投資しています。

たとえば、S&P500に連動するインデックスファンドに投資すれば、米国の大型企業500社に対して一度に分散投資ができるということです。

個別株で分散投資しようとすると、手間がかかるうえ多額の資金が必要になります。

少額から初心者でも手軽に分散投資できる点は、大きなメリットといえるでしょう。

少額から始められる

インデックス投資のメリットとしては、少額から始められる点も挙げられます。

投資額を少額にとどめておけば、精神的な負担が軽減されるうえ、損失が生じた場合のダメージも最小限に抑えることが可能です。

一般的にインデックス投資では投資信託を利用しますが、証券会社によっては100円からでも積立設定ができます。

まとまった資金がない方や、まずは少額で投資デビューしたいと考えている方でも、気軽に始められるでしょう。

また、少額であっても長期的に運用すれば、複利の力で資産を大きく増やせる可能性は十分あります。

運用コストが比較的抑えられている

インデックス投資は、運用コストが比較的抑えられている点もメリットのひとつです。

インデックスファンドは市場指数に連動するだけなので、事業者としても、個別銘柄の選別や売買などに多額の費用をかけずに済みます。

その結果、投資家が負担する手数料(=運用コスト)も低く設定される傾向にあるのです。

たとえば、アクティブファンドが1%以上の信託報酬を課すことが多いのに対し、代表的なインデックスファンドでは0.1%台から0.8%程度にとどまります。

運用期間が長くなればなるほど、運用コストの差がリターンに影響することを踏まえると、低コストのインデックス投資は長期運用に適した手法といえるでしょう。

値動きをチェックしやすい

インデックス投資は、値動きをチェックしやすい点も特徴のひとつです。

インデックスファンドが連動する日経平均株価やS&P500などの指数は、テレビのニュースやネットで常時公開されています。

個別銘柄のように複雑な情報を追う必要がないため、投資初心者でも直感的に価格変動を把握することが可能です。

長期運用で利益を伸ばせる可能性が高い

インデックス投資を長期的に続ければ、利益を伸ばせる可能性が高いといえます。

インデックスファンドが連動を目指す指標の多くは、そのときどきのトップ企業で構成されています。

そのため、各企業の業績が高まったり、新たな成長企業が生まれたりする限り、指標は上昇し続け、それに伴ってファンドの価格も上がっていくのです。

もちろん企業が成長するには時間がかかるうえ、業績にも波があるため、短期的にみるとファンドの価格が落ち込むこともあるでしょう。

しかし、主要指数に連動するインデックスファンドの利回りをみると、1年以上のスパンではほとんどがプラスになっています。

インデックス投資の失敗事例

次に、インデックス投資の失敗事例を解説します。

失敗事例を意識しておけば、余計な損失を招くリスクを抑えられるはずです。

短期的な価格変動に惑わされて取引してしまうケース

インデックス投資の失敗事例としてありがちなのは、短期的な価格変動に惑わされて取引を繰り返してしまうケースです。

インデックス投資は、長期的な経済成長の波に乗って成果を出す投資手法です。

短期的な価格変動に一喜一憂して保有商品を手放してしまうと、本来得られていたはずの利益を逃してしまいます。

たとえば、2020年のコロナショック時、世界経済が落ち込み、インデックスファンドの価値が暴落したタイミングで損切りした投資家は数多くいました。

しかし、その後、株式市場は急速に回復し、元の水準以上に価格を上昇させたインデックスファンドがほとんどだったのです。

また、短期売買は複利効果を十分に活かせず、資産が伸び悩む原因にもなります。

手数料で利益を大きく減らしてしまうケース

手数料によって利益が大きく減ってしまうケースも、インデックス投資の失敗事例としてよくみられます。

インデックスファンドは、売買時や保有期間中に手数料が発生します。

そのため、手数料を考慮せずに売買を繰り返したり、信託報酬率の高い銘柄を選んだりしていると、利益がどんどん減ってしまうのです。

近年では、買付手数料を無料としている証券会社や信託報酬率が0.1%未満のファンドも数多くあります。

手数料以外にも目を向ける必要はありますが、運用コストを抑える意識をもって、証券会社や銘柄をしっかりと比較検討することが大切です。

インデックス投資に向いていない人の特徴

以下のような特徴にあてはまる方は、インデックス投資に向いていない可能性があります。

  • リスクよりもリターンを重視している人
  • 自分の裁量で自由に投資をしたい人
  • リスク許容度が低い人

自身の性格や投資に対する考え方を振り返りながら、読み進めてみてください。

リスクよりもリターンを重視している人

リスクよりもリターンを重視している人は、インデックス投資に向いていません。

インデックス投資は市場全体の平均的な値動きに連動するため、大きなリターンを得ることは難しいとされています。

たとえば、個別株投資であれば数倍、数十倍の急激な値上がりも期待できますが、インデックス投資では年率4~7%程度のリターンが一般的です。

そのため、短期間で大きく資産を増やしたい人は物足りなく感じるでしょう。

とはいえ、年利数%であっても利益を再投資しながら長期運用すれば、十分に資産を増加させることができます。

また、リターンが小さいからこそ、リスクが抑えられているのも事実です。

自分の裁量で自由に投資をしたい人

自分の裁量で自由に投資をしたい人も、インデックス投資はやめておいたほうがいいかもしれません。

インデックス投資は特定の市場指数に連動するよう運用されるものであり、投資家自身が銘柄選択や売買のタイミングを決めるわけではないからです。

たとえば、自分の判断で特定の成長銘柄に集中投資したり、市場の動きを見て短期的な売買をおこなったりすることはできません。

裁量のある投資がしたければ、個別株投資やアクティブファンドへの投資のほうが向いているといえるでしょう。

リスク許容度が低い人

インデックス投資に向いていない人の特徴として挙げられるのは、リスク許容度が低いことです。

インデックス投資は元本保証された手法ではないので、損する可能性は残されています。

たとえば、リーマンショックのような金融危機で指数が落ち込むと、それに連動してインデックスファンドも暴落してしまうのです。

しかし、経済成長の波を味方につけ、分散投資も手軽にできるインデックス投資のリスクは比較的低いといえます。

また、ファンドによってもリスクの大きさは異なるので、自身のリスク許容度に見合ったものを選択することが重要です。

インデックス投資に向いている人の特徴

インデックス投資に向いている人の特徴としては、以下の3点が挙げられます。

  • 着実に資産を増やしていきたい人
  • 投資に時間をかけられない人
  • 投資経験が浅い人

自身の特徴と合致する場合は、インデックス投資を前向きに検討してみてください。

着実に資産を増やしていきたい人

着実に資産を増やしていきたい人は、インデックス投資に向いています。

長期運用を前提としたインデックス投資なら、利益の再投資によって利益が利益を生み出す「複利効果」を最大限に発揮できるためです。

【元金100万円を複利運用した場合のシミュレーション】

年数利回り3%利回り5%利回り7%
5年1,159,274円1,276,282円1,402,552円
10年1,343,916円1,628,895円1,967,151円
15年1,558,925円2,078,928円2,761,127円
20年1,806,111円2,653,298円3,869,685円
25年2,091,761円3,386,355円5,423,971円
30年2,436,797円4,321,942円7,612,256円

運用期間が長くなるほど、複利の力が強く働き、資産は加速度的に増えていきます。

短期間での大きなリターンは期待できませんが、コツコツ資産を増やしたい人にはインデックス投資がおすすめです。

投資に時間をかけられない人

投資に時間をかけられない人も、インデックス投資を選択肢に入れておくとよいでしょう。

インデックスファンドは市場全体の指数に連動して自動的に運用されるため、投資家が日々の値動きを細かくチェックしたり、売買のタイミングを考えたりする必要はありません。

一度購入してしまえば、あとは運用状況や資産配分を随時確認するだけで済みます。

積立投資を設定すれば、買付を自動化することも可能です。

特に平日の日中に仕事がある会社員は、証券取引所の取引時間に取引ができないので、無理して個別株を売買するよりも、インデックスファンドを自動で積立運用するほうが現実的といえるでしょう。

投資経験が浅い人

投資経験が浅い人にも、インデックス投資がおすすめです。

インデックス投資なら少額で始められるうえ、分散投資が自動的におこなわれるため、初心者でもリスクを抑えて着実に資産形成を進められます。

また、運用そのものは事業者に任せられるので、難しい企業分析や取引タイミングの見極め作業なども不要です。

実際、近年の投資ブームに乗り、インデックス投資で投資デビューし、利益を出している人も数多くいます。

投資の世界に足を踏み入れる第一歩として、インデックス投資にチャレンジしてみるのもよいでしょう。

インデックス投資でカモにされないための5つのポイント

ここでは、インデックス投資で失敗しないためのポイントを解説します。

  • 余剰資金を用いて投資する
  • 長期・積立での運用を意識する
  • できるだけ手数料が低いファンドを選ぶ
  • 定期的にポートフォリオを見直す
  • 公的制度を活用する

投資の基本を押さえているかどうかで成功率は大きく変わるので、ぜひ参考にしてください。

余剰資金を用いて投資する

インデックス投資を始める際は、余剰資金を用いるようにしてください。

余剰資金とは、日々の生活費やいざという時の備えなどを差し引いたあとに残ったお金のことです。

余剰資金を超えて投資すると、損失が生じた場合に生活が成り立たなくなるため、せっかく購入した保有商品を不本意なタイミングで売却しなければならなくなります。

その結果、本来回避できたはずの損失が生じる可能性があるほか、長期運用のメリットである複利効果を十分に享受できなくなるのです。

精神的な余裕を保ちつつ、暴落時にも冷静に対応できるように、無理のない範囲で投資金額を設定しましょう。

長期・積立での運用を意識する

インデックス投資では、長期・積立での運用を意識しましょう。

インデックス投資は市場全体の成長に連動するため、短期的に大きなリターンを得ることはできません。

しかし、長期的にインデックスファンドに投資し続ければ、市場のゆるやかな成長にともない、資産価値も着実に増えてきます。

また、インデックスファンドは指標に連動して波を打つように変動しますが、定期的に一定額を積み立てることで、購入単価を平準化できます。

つまり、「高値掴み」や「安値売り」などによる損失のリスクを抑えることができるのです。

投資手法によっては頻繁に売買を繰り返すのも有効な戦略になり得ますが、インデックス投資に関しては長期・積立での運用が基本スタイルになることを覚えておきましょう。

できるだけ手数料が低いファンドを選ぶ

できるだけ手数料が低いファンドを選ぶことも、インデックス投資を成功させるコツのひとつです。

投資信託やETFを利用したインデックス投資では、主に売買時の手数料と保有期間中の信託報酬が発生します。

なかでも信託報酬は保有期間中ずっと支払う必要があるので、利益を減らす原因になりやすいです。

信託報酬だけで投資先を決める必要はありませんが、0.1~0.3%程度をひとつの判断基準にしておくと、手数料はそれほど負担にはならないはずです。

定期的にポートフォリオを見直す

インデックス投資でカモにされないためには、定期的にポートフォリオを見直すことも重要です。

ポートフォリオは時間の経過とともに崩れていくため、放置しているとリスクを取りすぎたり、リターンが低下したりするおそれがあります。

たとえば、株式インデックスファンドと債券インデックスファンドを50:50の割合で保有していたとしましょう。

その後、株式インデックスファンドの保有割合が大きくなった場合は、リスクを取り過ぎた状態と判断できます。

そのため、株式インデックスファンドを売却し、債券インデックスファンドを買い増すなどして、資産配分をもとに戻しあげる必要があるのです。

また、年齢やライフステージによってリスク許容度が変わったときも、ポートフォリオを見直すタイミングのひとつです。

ただし、頻繁に見直すのは手間がかかるため、基本的には年に1回程度で問題ありません。

公的制度を活用する

インデックス投資で効率よく利益を得るためには、公的制度の活用が必須といえます。

主に、NISAとiDeCoの2種類が利用できるので、それぞれの制度概要を詳しくみていきましょう。

NISA

インデックス投資を始めるなら、NISAの活用をおすすめします。

NISAは、少額での投資を後押しするためにつくられた公的制度です。

日本国内に在住する18歳以上であれば、基本的に誰でも利用できます。

NISAのメリットは、投資の運用益が非課税になることです。

通常、投資の運用益には20.315%の税金がかかります。

しかし、NISA口座で投資するだけで、運用益をそのまま受け取ることができるのです。

なお、NISAは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類に分かれており、それぞれ年間の投資上限額や投資対象が異なります。

つみたて投資枠成長投資枠
年間投資枠120万円240万円
非課税保有期間無期限
非課税保有限度額総枠1,800万円
(成長投資枠に限っては1,200万円が上限)
投資対象投資信託・ETF株式・REIT・投資信託・ETF

インデックス投資では、投資信託もしくはETFに投資することになるので、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」のどちらも利用できます。

年間の投資額が120万円以内なら「つみたて投資枠」、120万円を超えるなら「成長投資枠」を選ぶのがよいでしょう。

iDeCo

老後資産の形成のためにインデックス投資を始めるのであれば、iDeCoを活用しましょう。

iDeCoは、公的年金に上乗せして年金を受け取ることができる私的年金制度です。

国民年金の被保険者であれば、原則として誰でも加入できます。

iDeCoのメリットは大きく分けて2つあり、1つ目は運用益が非課税になることです。

約20%の課税を回避できるので、効率よく資産形成を進められます。

2つ目は、掛金が全額所得控除される点です。

1年間に拠出した掛金総額を課税対象となる所得から丸々差し引けるので、所得税・住民税の大幅な節税効果が期待できます。

たとえば、年収500万円の会社員が月2万円を拠出した場合、所得税・住民税が約5万円節税できる計算です。

ただし、iDeCoで運用している資産は原則として60歳になるまで引き出せません。

基本的には途中解約も認められないので、無理のない範囲で掛金を設定してください。

なお、iDeCoの掛金上限額は職業ごとに異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

【iDeCoの掛金上限一覧】

対象者掛金上限(月額)備考
第1号被保険者
(自営業者・フリーランス・学生)
6万8,000円国民年金基金の掛金との合計で6万8,000円が上限
第2号被保険者
(会社員:企業年金なし)
2万3,000円企業型DCや企業年金に加入していない場合の上限
第2号被保険者
(会社員:企業年金あり)
2万円iDeCoと企業型DCおよび企業年金掛金の合計では55,000円が上限
第2号被保険者(公務員)2万円法改正により勤務先からの証明書提出が撤廃
第3号被保険者
(会社員や公務員などの被扶養者)
2万3,000円主に専業主婦・主夫が対象

まとめ

インデックス投資は「元本割れのリスクがある」「手数料がかかる」などの理由から、危ないといわれることも少なくありません。

しかし、長期的な運用を意識すれば、リスクを軽減しつつ複利効果を活かせるので、大きな利益を出すこともできます。

また、特別な知識や経験がなくても実践できる手法なので、これから投資を始めたいと考えている方には特におすすめです。

投資初心者の方は、不動産クラウドファンディングで資産運用してみるのもよいでしょう。

不動産クラウドファンディングは、投資家から集めた資金を元手に、事業者が不動産の運用をおこなう仕組みのことです。

投資信託と同様、投資家側がやるべきことはほとんどないので、ほぼ手放しで運用益を挙げられる可能性があります。

不動産クラウドファンディングに興味がある方は、ぜひ不動産BANKの公式サイトをチェックしてみてください。

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